GCEではディスク容量を自由に設定することができますが、どこまで容量が増やすことができるのか疑問に思っている方もいらっしゃると思います。Googleの公式ドキュメントによると、GCEでは1インスタンスあたり最大64TBまでディスクを拡張することができます。そこで今回、実際に64TBのディスクを作成し、手順の確認と利用出来るまでにどの程度の時間がかかるのかを検証してみました。timeコマンドを使って、ディスクを作成してからマウントするまでどのくらい時間が掛かるのかを計測しました。ディスクを拡張する手順としましては、
- 追加ディスクを作成する
- ディスクをフォーマットする
- ディスクをマウントする
となります。使用する環境は以下の通りです。
マシンタイプ
n1-standard-4(vCPU x 4、メモリ 15 GB)
OS
Debian GNU/Linux 8 (jessie)
初期ディスク容量
10GB
GCEへのディスク追加手順
新規インスタンスを作成し、[SSH]をクリックして端末に接続します。
せっかくなので東京リージョンでやってみます。
追加ディスクを作成する
追加ディスクを作成するには、コンソールで作成する方法とgcloudコマンドで作成する方法の二通りがあります。
コンソールで作成する場合
「ブートディスクとローカルディスク」の「項目を追加」をクリックし、「名前」のプルダウンメニューから新規ディスクを選択します。
ディスクの名前、ソースの種類、サイズ(GB)を設定し[作成]をクリックします。
※ディスクの最大容量は、インスタンス+追加ディスクの容量の合計で64TBです。インスタンスのディスク容量が10GBの場合、65526GBまでの追加ディスクしか割り当てることができませんのでご注意ください。
ディスクが追加できたら、一番下の[保存]をクリックしてインスタンスの編集画面を閉じます。
gcloudコマンドで作成する場合
gcloudの認証を行います。
gcloud auth login
ディスクを新規作成します。
gcloud compute disks create [ディスク名] --size [ディスクサイズ] --zone [ゾーン名]
作成したディスクをインスタンスに接続します。
gcloud compute instances attach-disk [インスタンス名] --disk [ディスク名]
ディスクをフォーマットする
追加されたディスクの名前を確認します。
ls /dev/disk/by-id

ディスクをフォーマットします。
sudo mkfs.ext4 -F -E lazy_itable_init=0,lazy_journal_init=0,discard /dev/disk/by-id/google-[ディスク名]
ディスクをマウントする
マウントポイントを作成します。
sudo mkdir -p /mnt/disks/[マウントポイント]

ディスクをマウントします。
sudo mount -o discard,defaults /dev/disk/by-id/google-[ディスク名] /mnt/disks/[マウントポイント]
起動時に自動的にマウントするように/etc/fstabを編集します。
echo UUID=`sudo blkid -s UUID -o value /dev/disk/by-id/google-[ディスク名]` /mnt/disks/[マウントポイント] ext4 discard,defaults,nofail 0 2 | sudo tee -a /etc/fstab

正常にディスクがマウントされたかを確認します。
df -h

時間計測
以下はコマンドラインで実行した際の各コマンドの実行時間です。
- ディスク作成: 0m5.196s
- インスタンスに接続: 0m12.499s
- フォーマット: 0m42.462s
- マウント: 0m3.994s
計: 1m4.151s
なんと、64TBのディスクが約1分で追加することができました。
まとめ
今回の検証で、GCEでは1分強で64TBまでディスク容量を拡張できることが確認できました。また、これらは動的に(サーバ停止不要で)行えるため、クラウドならではの事前のサイジング等が不要になる形でますます便利になりました。また、11月8日に新しく東京リージョンが追加されました。日本国内でサーバーが運用できるようになったことで、ネットワーク性能が向上し利便性が増しました。また、セキュリティ面でデータを国外に持ち出せない企業様も東京リージョンを使うことで、データを国内で運用することができます。
東京リージョンに関する記事はこちらを参照ください。
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